論文の数字は、Ctrl+F でアーカイブから探せるべき
精緻すぎる数字ほど出所が追えない。ホワイトリスト的门禁、文単位のアンカー、「未報告」の明示で、すべての数字をアーカイブした原文まで追跡できるようにする。
精緻な幻覚
モデルが書く数字は、欠点がないように見える。サンプル数は N=337、内部整合性係数は α=0.821、決定係数は R²=0.594、有意差は p<0.01。
そして指導教員がこう聞く。「この 0.594 は、どの論文にでもあるのか。」
答えは二つ。原文を探して 2 時間で該当行に辿り着くか、出所が見つからないか。後者は誤植ではなく、凭空の生成である。
論文の数字は修辞ではない。主張は二種類しかない。検証できる主張と、データに似ているだけの主張だ。
方法一:ホワイトリスト的门禁
検索の第一関門はキーワードではなく、信源そのものである。
対象国の上位大学、核心学術誌、権威機関だけが検索フローへ進められる。リストにないドメインは検索段階で破棄され、要約すら読み込まれない。信源が混在すれば証拠プールが汚染される。門禁は信源の信頼性をシステムの既定値にする。
方法二:文単位のアンカー
数字は元の文を離れると意味を失う。
WriterOne は数字を原文中の一文と一組でデータベースに取り込む。原句はアーカイブ全文から検索でき、句中の数字はカード上の数字と一致していなければならない。原句が見つからないか数字が合わなければ、その証拠は破棄される。要確認で残さず、証拠ごと捨てる。
この規則は厳しいが、証拠連鎖の土台である。
方法三:欠落は「未報告」
原文が報告していない統計量は「未報告」と書き、勝手に補うことはしない。
空白が薄く見えるのを好まず、著者はモデルに穴を埋めてさせる。Cronbach's α、RMSEA、CFI を順に補填する。原文のいかなる一文にも依拠しないまま、これらの数字は図表や結論、答辩へ流れ込む。
同じ原則が図表にも効く。検証できるデータ点が 2 つ未満なら図表は描かれない。何が欠け、なぜ欠けたかを書き込んだ品質監査図に格下げされる。
実装の細部:指紋と台帳
アーカイブした原文は Markdown で SHA-256 のフィンガープリントを持つ。1 バイト動かしても指紋は変わり、取得したものだと確認できる。
論据カードの裏には 22 列のデータ台帳がある。指標の定義、単位、時点、地域、信源、サンプル数、抽出方法、口径の比較可能性、限界など。各列は出所のある値か「未報告」の二者択一で、欠落は空白セルではなく結論である。
結論:検証可能性が完全性より重要
30 枚のカードのレビューでも、12 枚の数字を逐語まで原文へ遡れるなら、50 枚で 20 個出所不明のレビューより勝る。
指導教員が調べるのは後者だ。検証できない数字が書くのは結論ではなく、リスクである。